赤い月 青い太陽
――――私独自でこの興味深い文献を、解読しようと試みた。
が、劣化が激しくい。読み解く事は非常に困難。知人のツテを借りたが、この手のものは復元に何年もかかる。なじみの修復士もお手上げだ。
そんなに時間はかけられない。たとえ、私たちの求めているヒントが得られなかったとしても可能性は皆無ではない。
私は「今」これを解読したいのだ―――
「このメールの人って、なんかせっかち」
「そう思うか?」
「だって、なんでそんなに急ぐのか・・・」
私には分からないから
伊藤は黙って、またコーヒーをすすった。