天使と吸血鬼
「戻るか?」

先生は歩き始めた時、
私は思わず言ってしまった。

「抱きしめて欲しい。」

自分でも真っ赤になって
言っているのは分かるけど、
自分の気持ちに嘘は付きたく
なかった。

「いいよ。」

そう言って先生は、
私を優しく抱きしめてくれた。

「好きだよ。」

私は先生に初めて告白したが、
多分先生には聞こえていない。

だって、心の中で叫んだから。

しばらくすると、
先生の腕がゆるくなって、
私から体を離すと、
先生は私のおでこに、
キスをくれた。

「眠れるように、
おまじないをしたから。」

先生の顔は真っ赤で、
私も先生と同じくらいに、
真っ赤であるだろうと、
想像をしてしまった。

部屋に戻っても、
さっきの事で私は、
ゆっくりと眠れた。
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