甘い声で、癒されて




告白したとき、大間くんは、どんな表情をしたのか分からない。
だって、大間くんは、前髪が長すぎるから。




「優くーん、今日もなんかしゃべって?」


「イヤ。なんで俺がしゃべんないといけないの。まずうっとうしいし。どっか行け」


「きゃあああ!やっぱ耳溶けるーー!!」


「・・・うるさい」




いつも、優くんにつきまとっている。
だって、好きだから。
あなたの声が。




「今日ねー?朝起きたら、家の外にいた猫に引っかかれてさあ」


「・・・どこを」


「うんとね、ここ」




ひょい、と手の甲を優くんに見せた。


< 3 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop