Devil†Story
しかし、本当に人間ってのは、色々と面倒だ。


再生能力はあっても、時間がかかるうえにすぐ死ぬ。

俺も人間だが……いや、人間だったがの方が正しいのかもしれないが、そう感じる。


―「そんな目の人間は居ない」―


この間、奴に言われた言葉が脳裏に過った。


本当にそうなのだろうか。

だとしたら…俺は何者なんだ?


悪魔?


化物?


答えなんか出ない。


ロスに聞けば早いのだろうが、ロスは俺を“人間”だと言っていたし、わざわざ聞くのも面倒だからそのままになっている。


第一、俺にはあいつらの様な特別な力はない。


力を増すような……。


そう思った瞬間、この間の声の事を思い出した。


あの声……。


確かにあの声を聞いて自分が自分ではないような感覚だった。


何処かで聞いた事がある声。


でも、思い出せない。


ただの幻聴だろうか?


……まっ、正直どーでも良いけど。


元々…俺は“血”しか見えてないし、殺しは好きだから。


この事もロスにすら言っていない。


言ってもなんにもならねぇし、第一、説明が面倒だ。

そんな事を考えていると、稀琉に「ほらー、クロムもちゃんと参加してよー」と言われた。
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