Devil†Story
ーー次の日。
「ーーごめんなさい」
朝一番に輝太と太一はカウンセリング室に呼ばれていた。静けさが包む室内に、輝太の謝罪の言葉が静かに響いた。
「……分かった」
僅かに震えながら謝罪する輝太の様子に加え、担任が見ているからか流石の太一もいつもの横暴さもなく、謝罪を受け入れた。
「納得しましたか?太一さん」
「…うん」
「太一さん。先ほどもお話ししましたが、太一さんもボールをぶつけようとした事は今後絶対にしてはいけませんよ」
「……はい」
納得していないのか、ワンテンポ遅れてから返事をする。担任もそれには気付いていたが、太一は自分の過ちを認めるのが苦手である事は知っていた。一応、話を受け入れているのでこれ以上掻き立てない方が良いと判断し、余計なことは何も言わなかった。
「よろしいです。他にお互いに話したいことはありますか?」
「ない」
「………」
即答する太一とは反して輝太は唇をギュッと結んでいた。
ーー「お互いにごめんなさいをしましょう」ーー
昨日、担任はそう話していたが、太一からも謝罪は貰っていない。そうは言っても輝太から見ても太一は、イヤイヤさっきの話を受け入れているのは明白であった。別に謝罪が欲しいわけではない。それが上部だけであれば尚のこと。それでも自分に対しての謝罪ではなく、やはりクロムに対しての謝罪が欲しかった。
(…でも。クロムお兄ちゃんは…別に気にしてないって言ってたもんね…。しつこくしたら……ダメだよね…)
胸に渦巻く嫌な感情を飲み込んでから輝太は「……僕もありません」と答えた。
「分かりました。それでは戻っていいですよ」
担任にそう促されてカウンセラールームを後にする。カウンセラールーム付近は頻繁に出入りをする教室はない。理由は簡単だ。人に聞かれたくない話しをすることが大半だからだ。廊下や階段を通って他児童の声が流れている。そこを歩く2人からすると、まるでここだけが別世界のであるような感覚に陥る。
「……」
輝太の方が先に歩いているので、太一の表情も様子も分からない。さっきまでは納得したような、寧ろ不満そうな、何とも読めない顔をしていた。
(…太一くんはどんな顔をしているんだろう)
横目で太一の見ようとした瞬間であった。
「…じゃあ、これで終わりだから」
「え?」
そう聞こえたの同時に走り出し、太一は輝太の横を通り過ぎた。
「あっ…」
声をかけようとしたが、あっという間に走り去ってしまった。元々仲が良かったわけではない。寧ろ、昨日のように嫌味を言われる間柄だ。ああ見えても流石は富裕層のこどもである為、太一は年相応には勉強は出来ていた。早く問題を解く事も出来る。そんな太一にとって輝太は絶好のからかい相手である。輝太にとって決して好きな相手ではない。…それでも。
「……太一くん、もう僕と話してくれないかな」
輝太はそんな心配をしていた。その事に気付いた輝太はハッと目を瞬かせた。
(…アレ?なんでだろ…。僕は太一くんのこと…そんなに好きじゃないはずなのに。それなのに嫌われるのが嫌だと思っちゃった…)
「おかしいなぁ…。だって……」
ーそうだよねぇ?好きなのはお兄ちゃんだもんね?ー
「え!?」
近くで聞こえた声に辺りを見渡すも誰もいない。
(この間、聞こえた声…?でも誰もいないのに…)
「……あ。もしかして……」
不思議に思っていたが不意にある事を思い出した。それは、保育園の頃に1人で居ると現れた『しぃちゃん』と呼んでいた友達の事であった。しぃちゃんは所謂「イマジナリーフレンド」と呼ばれる存在で、鹿の被り物をつけている同い年くらいの男児であった。
(最近はすっかり話してなかったけど…しぃちゃんの声な気がする。僕がウジウジしているから出て来てくれたのかな?
「ありがとう。でも…僕はもう小学生だからしぃちゃんに甘えないって決めたんだ。だから大丈夫だよ」
姿は見ていないが、そんな気がしてそれ以上考えるのをやめ、教室へ戻った。
「ーーごめんなさい」
朝一番に輝太と太一はカウンセリング室に呼ばれていた。静けさが包む室内に、輝太の謝罪の言葉が静かに響いた。
「……分かった」
僅かに震えながら謝罪する輝太の様子に加え、担任が見ているからか流石の太一もいつもの横暴さもなく、謝罪を受け入れた。
「納得しましたか?太一さん」
「…うん」
「太一さん。先ほどもお話ししましたが、太一さんもボールをぶつけようとした事は今後絶対にしてはいけませんよ」
「……はい」
納得していないのか、ワンテンポ遅れてから返事をする。担任もそれには気付いていたが、太一は自分の過ちを認めるのが苦手である事は知っていた。一応、話を受け入れているのでこれ以上掻き立てない方が良いと判断し、余計なことは何も言わなかった。
「よろしいです。他にお互いに話したいことはありますか?」
「ない」
「………」
即答する太一とは反して輝太は唇をギュッと結んでいた。
ーー「お互いにごめんなさいをしましょう」ーー
昨日、担任はそう話していたが、太一からも謝罪は貰っていない。そうは言っても輝太から見ても太一は、イヤイヤさっきの話を受け入れているのは明白であった。別に謝罪が欲しいわけではない。それが上部だけであれば尚のこと。それでも自分に対しての謝罪ではなく、やはりクロムに対しての謝罪が欲しかった。
(…でも。クロムお兄ちゃんは…別に気にしてないって言ってたもんね…。しつこくしたら……ダメだよね…)
胸に渦巻く嫌な感情を飲み込んでから輝太は「……僕もありません」と答えた。
「分かりました。それでは戻っていいですよ」
担任にそう促されてカウンセラールームを後にする。カウンセラールーム付近は頻繁に出入りをする教室はない。理由は簡単だ。人に聞かれたくない話しをすることが大半だからだ。廊下や階段を通って他児童の声が流れている。そこを歩く2人からすると、まるでここだけが別世界のであるような感覚に陥る。
「……」
輝太の方が先に歩いているので、太一の表情も様子も分からない。さっきまでは納得したような、寧ろ不満そうな、何とも読めない顔をしていた。
(…太一くんはどんな顔をしているんだろう)
横目で太一の見ようとした瞬間であった。
「…じゃあ、これで終わりだから」
「え?」
そう聞こえたの同時に走り出し、太一は輝太の横を通り過ぎた。
「あっ…」
声をかけようとしたが、あっという間に走り去ってしまった。元々仲が良かったわけではない。寧ろ、昨日のように嫌味を言われる間柄だ。ああ見えても流石は富裕層のこどもである為、太一は年相応には勉強は出来ていた。早く問題を解く事も出来る。そんな太一にとって輝太は絶好のからかい相手である。輝太にとって決して好きな相手ではない。…それでも。
「……太一くん、もう僕と話してくれないかな」
輝太はそんな心配をしていた。その事に気付いた輝太はハッと目を瞬かせた。
(…アレ?なんでだろ…。僕は太一くんのこと…そんなに好きじゃないはずなのに。それなのに嫌われるのが嫌だと思っちゃった…)
「おかしいなぁ…。だって……」
ーそうだよねぇ?好きなのはお兄ちゃんだもんね?ー
「え!?」
近くで聞こえた声に辺りを見渡すも誰もいない。
(この間、聞こえた声…?でも誰もいないのに…)
「……あ。もしかして……」
不思議に思っていたが不意にある事を思い出した。それは、保育園の頃に1人で居ると現れた『しぃちゃん』と呼んでいた友達の事であった。しぃちゃんは所謂「イマジナリーフレンド」と呼ばれる存在で、鹿の被り物をつけている同い年くらいの男児であった。
(最近はすっかり話してなかったけど…しぃちゃんの声な気がする。僕がウジウジしているから出て来てくれたのかな?
「ありがとう。でも…僕はもう小学生だからしぃちゃんに甘えないって決めたんだ。だから大丈夫だよ」
姿は見ていないが、そんな気がしてそれ以上考えるのをやめ、教室へ戻った。