Devil†Story
輝「えへへ……クロム…お兄ちゃん…来てくれたぁ…」


輝太は今にも壊れそうな笑顔でそう言った。


ク「輝太」


輝「ゴ…メンね…。痛かった…よね…?」


そう言って俺の腹に触れる。


もう出血はしていない。


ク「別に。お前みたいなガキにつけられた傷なんて…なんて事ねぇよ」


輝「我慢…しちゃ…駄目だよ…?」


ク「我慢なんかしてねぇよ。つーか…お前の方が無理してただろ」


俺がそう言うと輝太は悲しそうな顔をした。


輝「う…ん…。僕…ね…?ただ……ただお母さんに…好きって…言って貰いたかった…だけなんだ…。でも……ダメだった………」


「えへへ…」と笑う輝太。

俺は何も言わずにただ輝太を見た。


輝「もう…1人の僕が…生まれたの…は…もう結構…前からなんだ…。

僕のお父…さんが…死ん…じゃって……。凄く…悲しんでて……。

今の…お…父さん…は…僕と…お母…さんを…叩く…人で……。

僕…は…良いんだ…でも…お母さんまで…叩かれ…るのは…嫌…だった…。
その…頃かな…お母さんも…僕を…叩く…様に…なったのは…」


ク「………」


父親…か……。


輝「痛い…のは…良いんだ…。だけど…凄く…悲しかった。

でも…ね…。お母さん…が…それで…少し…でも…元気に…なるならって…前…みたいに…優しく…してくれる様に…なるならって…ずっと…我慢してた…。

だって…前は優しかったから…」


「あの…お兄ちゃんと…初めて会った…この公園…だって…前、お母さん…が連れて行って…くれた…んだ……」と嬉しそうな…でも、寂しそうな顔で言った。
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