Devil†Story
麗「"桜の中の水色"はな。人間の女の子に恋する雀の話やねん。昔その雀はその子に助けられて見守っていくうちに恋に落ちて…それから快晴の日にはその雀が2階のその子の部屋に遊びに行って遊んだり、ご飯食べたり悩み聞いたりするようになんねん。確実に仲良くはなって行くけどでも結局体が違えば話もできなければ寿命も違う。桜が咲き乱れる春の朝にその子の部屋の窓辺でその雀は死んじゃうねん。それからこの作者特有の水色のページに白い文字で"でもいいんだ。僕はここから君を見守ってるから"ってセリフで終わりなんやけどそれが儚くてええよなぁ」
俺の言葉にクロムはため息をついた。
ク「やっぱそういう感じか。読まなくて正解だった。表紙の色使い的にそんなんだと思ってたんだよな」
麗「えー!読みーよ!」
ク「そんなのを俺が読むと思ったのか。お前にどんなの読んでるか聞いた俺が馬鹿だった」
麗「失礼やなぁ!後はアレや!あんまこの作者書かないけどコメディ入ってる"俺の美しいウォーターブルー"!あれはめっちゃおもろかったで!?」
ク「あれは迷作だろうが。それを書いてた時期あの作者血迷ってた時だろ。変に自分のカラーだそうとして。全ての作品のタイトルに"色"つけといて何やってんだと気付いて元に戻ったから読んでるがな」
クロムのその発言に俺は驚く。確かにそう言われてた時期もあったからだ。しかしそれは数年前の事で最近の話ではない。さっきの感じだとここ最近でクロムはその作者の作品を読み始めたのだろう。何故数年前のその事を知っているんだろうと不思議に思った。
麗「え?なんでそれ知っとるん?作者いわく黒歴史だから二度と語らないって言うて最近は全く触れてなかったはずやけど」
ク「あぁ…。一応気に入った作者は調べるからな。読み終わった後に作品の背景とか見るとまた違う角度で知れるしな」
「そん時にその駄作の背景が出てきたんだ」とコートのポケットから持っていた携帯を出しながら指差す。どうやらネットで調べているらしい。…やっぱ変に真面目と言うかなんというか…。あんま作者のことがっつり調べるとかしないと思うんやけど…その位読み込みたいんやなぁ…。また違うクロムの一面を見た気がしつつ、俺はもう一つ驚いたことを素直に聞いた。
麗「…クロム携帯使えるんやな」
当たり前のように出してきた携帯を見ながら俺は疑問をぶつけた。確かに携帯は何故かロス以外には支給されているから使えるのは当たり前といえば当たり前だ。しかし大体クロムはクローで伝達してくる。本当にごく稀にメールしたり電話することもあったが…。それ以外で殆ど触っているところを見たことがない。俺の問いに「ハァ?」と言わんばかりの顔で言い返してくる。
ク「馬鹿にしてんのか?」
麗「そういう意味やないけど殆ど触ってないやん?」
ク「ロスがうるさいから使ってねぇだけで使えるっての」
「電波がどうだの言って一緒いる時はうるさくてかなわないんだ」とうんざりしたように答えた。以前、稀琉にロスが携帯をダメだと言ってからロスも隠す事をやめたらしく、クロムがそう言っても特に気にしなくなった。
麗「え?あれって冗談とちゃうん?」
ク「冗談ならわざわざ部屋から出てこんなとこまで来て読書なんかしねぇよ」
麗「ロス……。ほんまに現代人だよな?」
確かに携帯は人を弱らせる電波出したり体に良くない作用があるらしいのは知っているが…まさかそれを理由にロスが携帯を使うなと言っていることに驚いてつい聞いてしまった。
ク「…さぁな。あいつは思考がじじぃなんだよ。今日も部屋で読もうと思ったんだがあいつが居てな」
あー…なるほど。だからさっき部屋の方に行ったと思っとったクロムが書斎に居たんやなと納得した。
麗「なるほどなぁ…。まぁ検索くらいなら今時誰でも使えーー「そんな年寄りでも出来ることしかできねぇみたいに言ってんじゃねぇよ。大方使えるくらいには触ってる」
俺の言葉に被せるように言ってくるクロムさんでした。
麗「まぁクロムが携帯使えるかどうかの話は置いといて…俺は俺の美しいウォーターブルー迷作と思ってへんけどなぁ…。あれはあれであの人の形やん。確かに今までと書き方変わっとったけど…あんな風に前向きに考えられたら楽しいやろなぁって思ったで」
少し寂しそうに笑いながら麗弥は答えた。それを見て少し目を細めるクロム。
桜の中の水色はその迷作と言われた俺の美しいウォーターブルーの後に出た作品だった。その為同じ系統の内容は省略しようと読まなかったので内容を知らなかった。しかしその前までは先程の気に入っていない作品と同じように読んでいたので俺の美しいウォーターブルーはクロムも読んでいた。
あの作品はザ青春を詰めたような作品で普通に暮らしていれば身に覚えのある感じになる。しかし、ここでこの仕事をしている段階でとっくに"普通"からはかけ離れているのだ。麗弥は元々明るい性格だ。きっと高校などでは人気者になっていただろうし、きっとそんな生活をしたかったと何処かで思っていたのだろう。
ク「…お前の頭ん中はあの主人公と同じで理解に苦しむがな」
麗「!」
その言葉を聞いて麗弥はハッとクロムを見た。きっとクロムはそれを言ったのは無意識だっただろうが、自分が憧れた生活が詰まったあの物語を好いているのは自覚していた。だから迷作、駄作とどうしても思えなかった。その主人公と似てると言われて嬉しさを感じながらも、そうはなれない現実を隠すようにいつものように言い返す。
麗「何言うてんねーん。あぁいうおもろいもん見ーひんと頭凝り固まって腐るで?」
ク「腐ってんのはお前の方だろうが」
麗「さっきから失礼な事言わんといて!でも確かにこの暑さじゃなぁ…って。今更なんやけどってか毎回思うとったけど…」
俺は目の前に居る全身真っ黒人間を見ながら言った。
俺の言葉にクロムはため息をついた。
ク「やっぱそういう感じか。読まなくて正解だった。表紙の色使い的にそんなんだと思ってたんだよな」
麗「えー!読みーよ!」
ク「そんなのを俺が読むと思ったのか。お前にどんなの読んでるか聞いた俺が馬鹿だった」
麗「失礼やなぁ!後はアレや!あんまこの作者書かないけどコメディ入ってる"俺の美しいウォーターブルー"!あれはめっちゃおもろかったで!?」
ク「あれは迷作だろうが。それを書いてた時期あの作者血迷ってた時だろ。変に自分のカラーだそうとして。全ての作品のタイトルに"色"つけといて何やってんだと気付いて元に戻ったから読んでるがな」
クロムのその発言に俺は驚く。確かにそう言われてた時期もあったからだ。しかしそれは数年前の事で最近の話ではない。さっきの感じだとここ最近でクロムはその作者の作品を読み始めたのだろう。何故数年前のその事を知っているんだろうと不思議に思った。
麗「え?なんでそれ知っとるん?作者いわく黒歴史だから二度と語らないって言うて最近は全く触れてなかったはずやけど」
ク「あぁ…。一応気に入った作者は調べるからな。読み終わった後に作品の背景とか見るとまた違う角度で知れるしな」
「そん時にその駄作の背景が出てきたんだ」とコートのポケットから持っていた携帯を出しながら指差す。どうやらネットで調べているらしい。…やっぱ変に真面目と言うかなんというか…。あんま作者のことがっつり調べるとかしないと思うんやけど…その位読み込みたいんやなぁ…。また違うクロムの一面を見た気がしつつ、俺はもう一つ驚いたことを素直に聞いた。
麗「…クロム携帯使えるんやな」
当たり前のように出してきた携帯を見ながら俺は疑問をぶつけた。確かに携帯は何故かロス以外には支給されているから使えるのは当たり前といえば当たり前だ。しかし大体クロムはクローで伝達してくる。本当にごく稀にメールしたり電話することもあったが…。それ以外で殆ど触っているところを見たことがない。俺の問いに「ハァ?」と言わんばかりの顔で言い返してくる。
ク「馬鹿にしてんのか?」
麗「そういう意味やないけど殆ど触ってないやん?」
ク「ロスがうるさいから使ってねぇだけで使えるっての」
「電波がどうだの言って一緒いる時はうるさくてかなわないんだ」とうんざりしたように答えた。以前、稀琉にロスが携帯をダメだと言ってからロスも隠す事をやめたらしく、クロムがそう言っても特に気にしなくなった。
麗「え?あれって冗談とちゃうん?」
ク「冗談ならわざわざ部屋から出てこんなとこまで来て読書なんかしねぇよ」
麗「ロス……。ほんまに現代人だよな?」
確かに携帯は人を弱らせる電波出したり体に良くない作用があるらしいのは知っているが…まさかそれを理由にロスが携帯を使うなと言っていることに驚いてつい聞いてしまった。
ク「…さぁな。あいつは思考がじじぃなんだよ。今日も部屋で読もうと思ったんだがあいつが居てな」
あー…なるほど。だからさっき部屋の方に行ったと思っとったクロムが書斎に居たんやなと納得した。
麗「なるほどなぁ…。まぁ検索くらいなら今時誰でも使えーー「そんな年寄りでも出来ることしかできねぇみたいに言ってんじゃねぇよ。大方使えるくらいには触ってる」
俺の言葉に被せるように言ってくるクロムさんでした。
麗「まぁクロムが携帯使えるかどうかの話は置いといて…俺は俺の美しいウォーターブルー迷作と思ってへんけどなぁ…。あれはあれであの人の形やん。確かに今までと書き方変わっとったけど…あんな風に前向きに考えられたら楽しいやろなぁって思ったで」
少し寂しそうに笑いながら麗弥は答えた。それを見て少し目を細めるクロム。
桜の中の水色はその迷作と言われた俺の美しいウォーターブルーの後に出た作品だった。その為同じ系統の内容は省略しようと読まなかったので内容を知らなかった。しかしその前までは先程の気に入っていない作品と同じように読んでいたので俺の美しいウォーターブルーはクロムも読んでいた。
あの作品はザ青春を詰めたような作品で普通に暮らしていれば身に覚えのある感じになる。しかし、ここでこの仕事をしている段階でとっくに"普通"からはかけ離れているのだ。麗弥は元々明るい性格だ。きっと高校などでは人気者になっていただろうし、きっとそんな生活をしたかったと何処かで思っていたのだろう。
ク「…お前の頭ん中はあの主人公と同じで理解に苦しむがな」
麗「!」
その言葉を聞いて麗弥はハッとクロムを見た。きっとクロムはそれを言ったのは無意識だっただろうが、自分が憧れた生活が詰まったあの物語を好いているのは自覚していた。だから迷作、駄作とどうしても思えなかった。その主人公と似てると言われて嬉しさを感じながらも、そうはなれない現実を隠すようにいつものように言い返す。
麗「何言うてんねーん。あぁいうおもろいもん見ーひんと頭凝り固まって腐るで?」
ク「腐ってんのはお前の方だろうが」
麗「さっきから失礼な事言わんといて!でも確かにこの暑さじゃなぁ…って。今更なんやけどってか毎回思うとったけど…」
俺は目の前に居る全身真っ黒人間を見ながら言った。