Devil†Story
ナニ…これ…?
僕はその状況が全く理解できていなかった。
なんで父さんと母さんが紅くなって倒れているのか。
何故、兄さんも紅いのか。
何故…僕のカラダがその紅い液体で濡れているのか。
「にい…「来るなっ!」
ビクッ
兄さんの方へ行こうとして、鋭い声でそう言われ動けなくなる僕。
「来るなっ…化け物…!」
体を上下に揺らしながら息をする兄さん。
その兄さんの言葉が僕を突き刺す。
「兄…さん…なんで…」
僕が今にも消えそうな声でそう言うと…いつもの優しい兄さんの顔でない兄さんが声をあらげて答える。
「父さんが前にお前のことを“あの子は鬼の子。その力は我々には抑えられない”と言っていた意味がよく分かったよ…」
「えっ……」
キッと僕を睨み付けた兄さんの言葉がまた僕に突き刺さる。
「まだわからないのかい?お前がここに来た瞬間……お前は鬼になって父さんと母さんを殺したんだよ!そして…それを止めた俺にも…攻撃してきたんだ!今まであんなにお前のことを大切にしてきたのに…!」
息を切らしながら兄さんはハッキリそう言った。
僕が……父さんと母さんを……
“コロシタ……?”
自分の手を改めて見てみる。
確かに怪我もしていないのにぬるぬるとした紅い液体がそこにはついている。
目の前には傷だらけの兄さんが居る。
傷だらけの兄さんを見てハッとした。
そして、思い出してしまった。
ーーその手で肉を切り裂いたあの感覚を。
「あっ……あ…!」
手がカタカタと震えて動けない。
「お前のせいだぞ、キル…!」
兄さんが、近くに落ちていた木の棒を掴み、僕の前へゆっくりとやってくる。
僕は相変わらず動けないままだ。
「化け物め…!」
目の前まで来た兄さんが、そう言うと……何の躊躇いもなく僕を棒で殴り付けた。
「っ……!」
ドサッ
倒れた瞬間、カラダに痛みが走った。
よく見てみれば今、叩かれたのとは別に自分のカラダにも傷がついていた。
父さんと母さんを殺してしまった時についたものかまでは思い出せない。
そもそも殺したところは思い出せない。
あの扉を開けて中を見た後の光景は……いくら思い出そうとしても出てこなかった。
でも、確かにその手には肉を切り裂いたあの感覚がハッキリと残っていた。
それは、父さんと母さんを殺し、大好きな兄さんを傷付けた……証。
その事実がやっと僕の頭に木霊した時、涙が目に一気に集まってきた。
僕は今にも涙が溢れそうな目で兄さんを見つめる。
……そこに、優しい兄さんは居らず、ただ憎しみに身を燃やす兄さんが居た。
「この…っ!」
兄さんは、棒を振りかざすと僕に向かって降り下ろした。
「……っ!」
僕はギュッと目を瞑った。
涙がまつげの先に零れたときだった。
ーーヒュン
「ぐあ……っ!」
風の切る音、指に何かがはまる感触……そして兄さんの呻き声に目を開ける。
「あっ……!」
目を開けて僕は唖然とした。
だって…兄さんの体に銀色に光る線が食い込んでいたから。
そして、その銀色の線の先は…僕の指に繋がっていたから。
「ナニ…これ…?」
僕の指にはいつのまにか指輪がはまっていてそこから、銀色の線が出ていた。
ぽぅっとそれは光っていた。
「くっ…!鬼の…殺器(さっき)か…!」
兄さんがそう呟くと同時に、兄さんの体からそれは抜けた。
そして、僕の意思とは関係なしに兄さんを次々と切り裂いていった。
「かっ…!ぐ…ぅ……!」
切り裂かれる度に苦しげな声をあげる兄さん。
その感覚が僕の手に伝わってくる。
「やっ、やめてぇ!!もう…これ以上兄さんを傷付けないで!!」
僕が泣きながら力の限り叫ぶとやっとそれはとまった。
「ぐ…」
しかし、叫んだときにはもう遅かった。
兄さんの体からはダラダラとまた新しい紅い液体が流れていっていたから。
「くっ……キ…ル…ゥ…!!」
憎しみのこもった目、声で僕の名前を呼ぶ。
「許さない…!」
「あっ……兄…さん…」
「絶対に…許さない…ぞ、キル…!地獄からでも…お前を…呪ってやる…!」
兄さんは恐ろしい言葉を吐いた。
その声は体が硬直してしまうくらい恐ろしいものだった。
「くっ…」
ドサッ
よろけて倒れる兄さん。
しかし、僕を睨み付けて紅い液体と、また呪いの言葉を吐き出した。
「お前を……永遠に…呪ってやる……!絶対に…」
最後の言葉は声になっていなかったが、僕にはなんて言っていたのかが理解できた。
“許さない”
そういった後、兄さんは頭を床につけ、ピクリとも動かなくなった。
「あ…あぁ……!」
ピクリとも、動かなくなった兄さんを見て僕の意識がハッキリしてきた。
それと共に僕の中の罪悪感が一気に弾けとんだ。
「うわぁぁああぁぁ!!!」
僕は泣きながら叫んでその場から逃げ出した。
これ以上、傷付いた家族の姿を見ていられなかった。
皆、殺してしまった……!
あんなに優しくしてくれた家族を…!
僕は…僕はなんてことを……!
「ごめん…なさい……!ごめんなさ……い…!」
僕は泣きながら走った。
外の世界へと。
空がぼんやりと、明るくなってきた外の世界へと…。
僕はその状況が全く理解できていなかった。
なんで父さんと母さんが紅くなって倒れているのか。
何故、兄さんも紅いのか。
何故…僕のカラダがその紅い液体で濡れているのか。
「にい…「来るなっ!」
ビクッ
兄さんの方へ行こうとして、鋭い声でそう言われ動けなくなる僕。
「来るなっ…化け物…!」
体を上下に揺らしながら息をする兄さん。
その兄さんの言葉が僕を突き刺す。
「兄…さん…なんで…」
僕が今にも消えそうな声でそう言うと…いつもの優しい兄さんの顔でない兄さんが声をあらげて答える。
「父さんが前にお前のことを“あの子は鬼の子。その力は我々には抑えられない”と言っていた意味がよく分かったよ…」
「えっ……」
キッと僕を睨み付けた兄さんの言葉がまた僕に突き刺さる。
「まだわからないのかい?お前がここに来た瞬間……お前は鬼になって父さんと母さんを殺したんだよ!そして…それを止めた俺にも…攻撃してきたんだ!今まであんなにお前のことを大切にしてきたのに…!」
息を切らしながら兄さんはハッキリそう言った。
僕が……父さんと母さんを……
“コロシタ……?”
自分の手を改めて見てみる。
確かに怪我もしていないのにぬるぬるとした紅い液体がそこにはついている。
目の前には傷だらけの兄さんが居る。
傷だらけの兄さんを見てハッとした。
そして、思い出してしまった。
ーーその手で肉を切り裂いたあの感覚を。
「あっ……あ…!」
手がカタカタと震えて動けない。
「お前のせいだぞ、キル…!」
兄さんが、近くに落ちていた木の棒を掴み、僕の前へゆっくりとやってくる。
僕は相変わらず動けないままだ。
「化け物め…!」
目の前まで来た兄さんが、そう言うと……何の躊躇いもなく僕を棒で殴り付けた。
「っ……!」
ドサッ
倒れた瞬間、カラダに痛みが走った。
よく見てみれば今、叩かれたのとは別に自分のカラダにも傷がついていた。
父さんと母さんを殺してしまった時についたものかまでは思い出せない。
そもそも殺したところは思い出せない。
あの扉を開けて中を見た後の光景は……いくら思い出そうとしても出てこなかった。
でも、確かにその手には肉を切り裂いたあの感覚がハッキリと残っていた。
それは、父さんと母さんを殺し、大好きな兄さんを傷付けた……証。
その事実がやっと僕の頭に木霊した時、涙が目に一気に集まってきた。
僕は今にも涙が溢れそうな目で兄さんを見つめる。
……そこに、優しい兄さんは居らず、ただ憎しみに身を燃やす兄さんが居た。
「この…っ!」
兄さんは、棒を振りかざすと僕に向かって降り下ろした。
「……っ!」
僕はギュッと目を瞑った。
涙がまつげの先に零れたときだった。
ーーヒュン
「ぐあ……っ!」
風の切る音、指に何かがはまる感触……そして兄さんの呻き声に目を開ける。
「あっ……!」
目を開けて僕は唖然とした。
だって…兄さんの体に銀色に光る線が食い込んでいたから。
そして、その銀色の線の先は…僕の指に繋がっていたから。
「ナニ…これ…?」
僕の指にはいつのまにか指輪がはまっていてそこから、銀色の線が出ていた。
ぽぅっとそれは光っていた。
「くっ…!鬼の…殺器(さっき)か…!」
兄さんがそう呟くと同時に、兄さんの体からそれは抜けた。
そして、僕の意思とは関係なしに兄さんを次々と切り裂いていった。
「かっ…!ぐ…ぅ……!」
切り裂かれる度に苦しげな声をあげる兄さん。
その感覚が僕の手に伝わってくる。
「やっ、やめてぇ!!もう…これ以上兄さんを傷付けないで!!」
僕が泣きながら力の限り叫ぶとやっとそれはとまった。
「ぐ…」
しかし、叫んだときにはもう遅かった。
兄さんの体からはダラダラとまた新しい紅い液体が流れていっていたから。
「くっ……キ…ル…ゥ…!!」
憎しみのこもった目、声で僕の名前を呼ぶ。
「許さない…!」
「あっ……兄…さん…」
「絶対に…許さない…ぞ、キル…!地獄からでも…お前を…呪ってやる…!」
兄さんは恐ろしい言葉を吐いた。
その声は体が硬直してしまうくらい恐ろしいものだった。
「くっ…」
ドサッ
よろけて倒れる兄さん。
しかし、僕を睨み付けて紅い液体と、また呪いの言葉を吐き出した。
「お前を……永遠に…呪ってやる……!絶対に…」
最後の言葉は声になっていなかったが、僕にはなんて言っていたのかが理解できた。
“許さない”
そういった後、兄さんは頭を床につけ、ピクリとも動かなくなった。
「あ…あぁ……!」
ピクリとも、動かなくなった兄さんを見て僕の意識がハッキリしてきた。
それと共に僕の中の罪悪感が一気に弾けとんだ。
「うわぁぁああぁぁ!!!」
僕は泣きながら叫んでその場から逃げ出した。
これ以上、傷付いた家族の姿を見ていられなかった。
皆、殺してしまった……!
あんなに優しくしてくれた家族を…!
僕は…僕はなんてことを……!
「ごめん…なさい……!ごめんなさ……い…!」
僕は泣きながら走った。
外の世界へと。
空がぼんやりと、明るくなってきた外の世界へと…。