やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
序章:ひとつ屋根の下
ピピピピピピピピ・・・・・・
アパートの一室に目覚まし時計の音が鳴り響く。
私は、寝床代わりにしている押入れで目を覚ました。
「・・・暑い・・・・」
体中、汗で気持ち悪い。
夏も間近な今、押入れで寝るのは、さすがに少し無理がある。
「・・・こんなの動物型機械じゃないと無理だよ・・・」
某国民的アニメの動物型機械ならまだしも、人間の私には、押入れでは、快適な睡眠はできない。
しかし、そうも言ってられない事情が私にはあった。
ふすまを開け、アパートの部屋を見ると、そこには、組長、真木ヒナタ、サブ、ポチが、ところ狭しと、ギュウギュウ詰めで寝ていた。
(・・・・いくら、私でも、こっちで寝るのは無理・・・)
みんなが寝ている部屋を見渡し思う。
ここは、屋敷の前にあるアパートのサブの部屋だった。
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