やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・小夜、真木さんにも、掃除とかやってもらおうと思ったんだけど、皿洗いしてもらったら、お皿全部割るし、布団干してくださいって言ったら、布団地面の上に干すし・・・・とにかく大変だったんだよ。それで、とりあえず、邪魔にならないように静かにしておいてもらったの。」
私に隣に座っていたサブが、小声で早口に私に説明する。
私は、サブの説明で状況が想像できた。
「真木さんも静かにしておいてくれて、ありがとうございます。」
私は、真木ヒナタに声を掛けた。
「当然だよ。」
私の言葉にうれしそうに笑う真木ヒナタ。
「それで、俺達考えたんだけど、こうなったら、ここで組作って、頑張ろうって話になってな。」
組長が私に言った。
「組ですか?」
「そうだよ。」
聞き返した私にうなずく組長。
「笹山組、ここにも作るんですか?」
私は、組長に尋ねた。
「いや、笹山組は、もうあるから、ここには、別の組を作るんだ。」
「・・・はぁ?」
イマイチ、組長の言いたい事がわからない私。
「それで、組の名前は、三河組にしようと思うんだ!」
「・・・・三河・・・組ですか?」
「そうだよ。」
うれしそうな組長。
私はと言うと、いまだに意味がわからない。