やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・私の苗字と一緒ですね?」
「うん。だから、三河組の組長は、小夜ってことに決まったから。」
突然の組長の言葉。
私は、すぐに理解できずに、回りを見渡す。
サブは、うれしそうに笑っていて、ポチは、何故か泣いていて、真木ヒナタは、朝食を一心不乱に食べていた。
再び、視線を組長に戻す私。
「私が、三河組の組長・・・ですか?」
「そうだ。」
うなずく組長。
「やったな、小夜。ついに、組長だよ!」
サブが、笑顔で私を見る。
「ついに、ついに、アッシの小夜姉さんが、組長まで出世なさいました・・・・こんなうれしいことはありません。」
気持ち悪い顔で号泣するポチ。
「今日の半熟うめぇ~!!」
関係ないことを叫ぶ真木ヒナタ。
私は、どういう表情をしていいのか、わからずに、ただ、呆然としていた。
(・・・・わたし・・・・組長になっちゃった・・・・。)
頭の中は、ただ、それだけを繰り返していた。