やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「小夜~、今日、銀行行って、お金振り込むんだろ?」



サブが、部屋から台所に来て私に言った。



「あっ、そうでした。一気に色々あったんで忘れてました。ありがとうございます、サブさん。」



私は、笑顔でサブに微笑んだ。



「い、いや、いいよ、そのくらい。少しでも、俺、小夜の役に立てたならうれしいんだから。」



サブは、恥ずかしそうに少し顔を赤く染めた。



「あ、そうだ。サブさんは、組長って何をすればいいのかわかりますか?」



私は、サブに聞いてみる。



「え、組長?・・・そうだな・・・」



考え込むサブ。



「フッ、サブさん程度にわかるわけありませんよ。」



ポチのつぶやきが聞こえてきた。



どうやら、サブには、聞こえなかったみたいで、ポチのつぶやきに反応しなかった。



「・・・そうだな。別に重く考えること必要ないんじゃないか?三河組にしたって、組長と真木さんのお遊びみたいなものだし、小夜は、今までどおり、小夜らしく行動すればいいんじゃないかな。」



「な~~~にを言ってるんですか!!!やくざにとって組長になることは、夢ですよ。夢!!いわゆる、ドリ~~~ムですよ。それを、小夜姉さんらしくだなんて、他の人が許しても、アッシは許しません!!!」



ポチが叫ぶ。



「私らしくか・・・。」



当然、ポチの言葉は無視する私。

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