やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「みなさん、ありがとうございます。」
私は、その場にいた全員に頭を下げた。
(これで、あとは真木さんが助けに来てくれるのを待つだけ・・・)
携帯電話を切ってから、ちょうど1時間後に、真木ヒナタから携帯電話がかかって来た。
ブルブルブルブル・・・
マナーモードにしておいた私の携帯電話が振動する。
「はい。小夜です。」
私は、携帯電話に出た。
「こっちは、準備できたから、今から助けに行くぞ!」
真木ヒナタの元気な声が、携帯電話から響いてきた。
「お願いします。」
「あっ、そうだ。窓際は危ないから、窓際から離れとけよ。」
少しウキウキとした真木ヒナタの声に嫌な予感がよぎる私。
「ちょ、ちょっと待ってください、真木さん。どういう意味で・・・・切れてる・・・。」
真木ヒナタは、私の言葉を聞くことなく携帯電話を切った。