やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
真木ヒナタが、助けにくる1時間後までに私には、やらなければいけない事があった。
私は、銀行強盗のカンジとミチの側に行く。
「カンジさんとミチさん。」
私は、カンジとミチに話しかける。
「何?」
カンジとミチが、私に注目する。
「・・・・銀行から盗んだカンジさんとミチさんの5,000万円とお爺さんの1,000万円は、銀行に返してくださいね。」
「・・・・それは、ちょっと・・・・」
カンジとミチとお爺さんは、困ったような顔をした。
「・・・・お金に関しては、私がなんとかしますから、ね?」
「・・・・お姉さん、お金貸してくれるの?」
カンジとミチとお爺さんが、うれしそうな顔になった。
「・・・はい。」
私は、カンジとミチとお爺さんが、安心できるように、出来る限りの笑顔をつくって笑った。
「それだったら・・・。」
カンジが、6,000万円の入ったバックを私に差し出した。
私は、それを、銀行の支店長に渡した。
「すいません。これで、今回の事は、水に流してもらえませんか?」
「それは・・・・私の気持ちとしては、なかった事にしてあげたいのですが・・・防犯カメラの映像とかが残ってますから・・・まったくなかった事にはできないんですよ。」
支店長が、顔の汗をハンカチで拭きながら答えた。
「それは、こっちでうまくやりますから、とりあえず、犯人の顔や名前だけは、知らないってことにしてもらえませんか?」
「・・・・・それぐらいでしたら・・・・私にも、子供がいるので、銀行強盗さんの気持ちもわかりますから・・・。」
支店長の言葉にその場にいた全員がうなずいてくれた。