やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「それもこれも、全部、ポチのせいだ!これでもくらえ!!」
真木ヒナタは、視線を私からポチに移すと、川原の小石を拾って、全速力でポチめがけて投げ始めた。
ゴツッ!
ゴツッ!
ボコッ!
次々にポチに命中する小石。
「い、痛い!や、やめてくださいよ、真木さん!!」
ポチは、川の浅瀬の場所で必死に真木ヒナタの投げる小石を避けようと動く。
そして、真木ヒナタの小石を避けようと動いた瞬間、滑りやすい川底の石に足を滑らせて、見事に転ぶポチ。
ドボ~ン・・・・。
再び、ポチは、そのまま、川の流れによって流され始めた。
「・・・・・帰りましょうか?」
川に流され始めたポチを眺めながら、つぶやく私。
「・・・そうだな。カンジとミチや三郎爺さんの問題もあるしな。」
サブが、私を見る。
「・・・本当、無駄な時間だったよ。」
真木ヒナタが、つぶやき、その場にいる全員が、うなずいた。
そして、私達は、とりあえず、これからのことを話し合うために、私達のアパートへと向った。
川では、ポチが、ゆっくりと海へ向って流れていた。
ポチ・・・フォーエバー・・・・・。