やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださよ。そんなに、小夜姉さんに人工呼吸をしてもらおうとした事が悪い事ですか?むしろ、男っ気がない小夜姉さんのためにアッシがキスされてあげようとするボランティア精神じゃないですか!」
「なるほど、一理ある。」
ポチの言葉にうなずく真木ヒナタ。
バシッ!
「一理もありませんよ!」
私は、ポチの意味のわからない言い訳にうなずいていた真木ヒナタの後頭部を軽く叩く。
「何だよ、小夜!さっきから、俺の大事な頭を何回も叩きやがって!!」
真木ヒナタが、かなり怒ったような表情で私を睨みつける。
「あっ・・・そ、それは・・・真木さんが変なこと言うから・・。」
少し焦りながら答える私。
最近、忘れていたが、元々、真木ヒナタは、ドS。
どんなことだろうが、殴られたまま、納得するわけはなかった。
気軽に殴ってしまった事を後悔する私。
そんな私を睨みつけながら、真木ヒナタが言った。