やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「全然、思いつかないんですか?本当に?まったく、小夜姉さんの頭の中はどうなってるんだか・・・・ハァ~。」
あきらかに私を馬鹿にした表情で見下すポチ。
「・・・・悪いですけど、私、生まれてから、一度も警察のお世話になるような事したことないんですけど?・・・・どっかの誰かさんと違って!!」
私は、ポチを睨む。
「ムッキー!!アッシは、一度も警察に捕まるようなことをした事がないのが自慢のやくざなんですよ!!」
ムキになって私に言い返すポチ。
「・・・・あれっ?それじゃ、誘拐事件起こしたのってどこのくされヤクザさんでしたっけ?」
「ウッ!」
私の言葉に動きが止まるポチ。
「しかも、私のアパートに無断で入ってきて、好き勝手荒らしたのは、誰ですか~?」
「ウッウッ!!!!」
私は、さらにポチを責める。
グゥーの音もでないポチ。
「勝った!」
私は、うれしそうに勝利宣言をした。
「・・・・・・・アッシにだって言いたい・・・・・・・・。」
ポチが、悔しそうに下を向いたまま小声でつぶやく。
私は、そのポチのつぶやきが聞き取れなかった。
「何ですか、ポチさん?」
余裕の表情でポチに尋ねる私。