やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・小夜さん」
「はい、龍一さん。」
私の心の中は執事でいっぱい。
「・・・・・・名残惜しいですが、そろそろ大和のところに行きましょうか?」
「あっ!・・・・すいません。」
私は、再び組長のことをあっという間に忘れていたことを恥じた。
「どうしたのですか?謝ったりして?」
私の心の中が見えない執事は、不思議そうな表情をしたが、私は、それには答えずに、「組長の所に行きましょう!」と、言うと、警察署の中へと向って歩き出した。
私の後から、やや不思議そうな表情の執事がついてきた。
そして、警察署の駐車場には、ポチが、ひとり、寂しく倒れていた・・・・。