やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「ちょ、ちょ、ちょっと、待ってくれよ、龍一。いや、龍一さま。もう一度だけ、もう一度だけで結構ですから、チャンスをください。」
イスをガタガタさせながら、必死の形相で執事に許しを請う組長。
「・・・・もう一度だけですよ、大和。」
いつもより微妙に低く響く声の執事。
「ありがとうございます、龍一さま!」
歓喜の表情を浮かべる組長。
「それでは、何故、このような事態になっているのかを話してください。」
組長は、執事に促され、再び話を始めた。