やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「それは、私達が決めることじゃないじゃないですか。龍一さんが、行きたいと思う人と一緒に行くべきだと思いますよ。・・・でも、血よりも濃い絆で結ばれた師弟関係の私と行きたいと思うに決まってますけど・・・。」
「そんなのわかんないだろ?わざわざ、高級フレンチにまでお荷物の弟子を連れて行きたいと思うか?それに、小夜、高級フレンチのマナー知ってるのかよ?」
「ウッ!」
痛いところをつかれて、言葉につまる私。
「ほらみろ!小夜には、まだ、高級フレンチは、早いんだよ!」
私を見下す真木ヒナタ。
「そ、それじゃ、真木さんは、高級フレンチのマナー知ってるんですか?」
私は、真木ヒナタに言い返す。
「当然だろ!・・・カタツムリを食べるんだよ!」
「・・・はい?・・・それ別にマナーでも何でもないですけど?・・・・もしかして、知らないんですか?」
私は、真木ヒナタを馬鹿にしたような表情で見る。
「う、うるさいなぁ~!俺ぐらいのレベルになると俺がマナーに合わせるんじゃなくて、マナーが俺に合わせるんだよ!」
何故か自信満々の真木ヒナタ。
私と真木ヒナタが、廊下でにらみ合っていると、後ろから、フォーマルスーツを着た組長が現れた。
「あっ、ちょうど良かった。小夜、ヒナタ、どう、似合ってる?」
私と真木ヒナタの前で1回転をする組長。