やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「アッシは・・・アッシは・・・エェェェェェ~ン!!」
ポチは、相変わらずの汚い涙と鼻水を流しながら、部屋を飛び出していった。
「まったくポチさんは・・・・フゥ・・・」
私は、呆れて、ため息をつく。
「小夜・・・」
その時、サブが真剣な表情で私を見つめてきた。
(あっ・・・よく考えたら、今、部屋には、私とサブさんの二人っきりだ・・・)
真木ヒナタは、朝から姿が見えなかった。
私は、そのことに気づき、いつも以上にサブを意識してしまう。