わたしの名前は…
情けなくて、
しかたなかった…
もし、
カナムが急変したという電話だったら、
この人はどうするつもりだろう…
これがコウキの正体か?
情けなくて、情けなくて、
怒鳴ってやりたくてしかたなかった…
あんたなんか父親失格だ…
私は野球チームの連絡網を見て、
ナルセ先輩の携帯に電話をした…
「誰?」
「サキです…」
「おう!どうした?
旦那にかわるか?
お!コウキ、サキから!
アレ?コウキ?
あれぇ、行っちゃった…
どした?何かあったら伝えるぞ?」
私がナルセ先輩にかけているのを知り、
その場からコウキは逃げ出した。
「どうした、サキ?
ケンカでもしたか?(笑)」
情けなくて…
携帯の電源を切られ、
他人の携帯に電話して、
逃げ出され…
私は何?
ストーカー?
「してない…
コウキに電源切られちゃって…
カナム風邪ヒドイのに…
私これから仕事行かなきゃなのに…」
「は?そうなの?!
じゃあコウキ飲んでる場合じゃねぇじゃん!!
おー!コウキ知らね?
あいつどこ行った!!」
電話の向こうで、
ナルセ先輩がみんなに声をかけている…
「待てよ。
オレが探して帰らせるから!
あのバカ、
ガキ病気の時にっ!!!
ごめんな、
俺達が誘ったから…」
他人のナルセ先輩が謝ってくれてるのに、
コウキは―――
情けない…
情けなさすぎる―――