わたしの名前は…
「あっ!!
来た!!
おいっ!コウキっ!!
お前さっさと帰れ!
サキ仕事なんだろ!!」
電話の先でナルセ先輩がコウキに怒鳴っている――
何だか自分で怒鳴るより、
ナルセ先輩が親身になってコウキを怒鳴ってくれて…
スッキリした…
そして、
余計にコウキを情けないと思い、
それが自分の夫で、
カナムの父親なのが、
惨めだった…
「何やってんだよ、お前は!
サキ泣かせて!
ガキも病気なんだろ!
そんなときに飲みになんか来るなっ!!
電話にもちゃんと出ろ!
何かあったらどうすんだ!
お前、親父だろ!!」
あぁ…
それって、私が無理強いすることじゃないんだ…
男でも、
当たり前だって思うんだ…
何も言わないのに、
ナルセ先輩が代弁するようにコウキを怒鳴る―――
でもやっぱり、
それはコウキには解らなかった…