わたしの名前は…


離婚したことも、
シングルマザーになったことも、
赤の他人はおもしろそう…


腫物に触るように

「離婚…したの?」

なぁんて遠慮がちに聞いて単なる話の種。

「若い人は簡単に離婚できていいねぇ。
年とると、別れたくても
子供のこととか考えちゃって我慢するからねぇ(笑)」

とは、
私が我慢が足りなくて
簡単に投げ出したと言いたいだけの、
別れる気なんか微塵もない
歳だけくった人の話。


「子供が可哀想…」

とは、カナムのことなんて興味もない奴のタワゴト。




みんな、
あの薄っぺらの紙切れに
何か特別な力があると思っている、輩の話…



そんなに楽して、
あの紙切れにこだわって、
私はコウキと結婚したり、離婚したりしたんじゃない。


私やカナムを、
コウキを、
知ろうともしないで、
知ったような顔で、
人生の先輩面して…


人は歳をとったら
それだけで何でも分かる?

ワケない。



少なくとも、
そんなことを平気で言える人間よりは
たくさんの人間を見て、
たくさんの感情を知り、
たくさんの経験をしている…



でも、哀しいかな
世の中そんな大人が大半…


そんなのに育てられた子供は…?

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