ぶるー。
ぶるー。
 『雲ひとつない青い空です』
一言だけ添えられた写メールが届いた。
閉め切ったカーテンを少しだけ開けて、窓で四角く切り取られた目の前の空を眺めた。教室に差し込む淡い陽の光に照らされた彼の横顔が、ふわりと脳裏に浮かぶ。窓の外で街路樹がそよいで、あの頃柔らかく彼の髪を揺らしていた風を思い出した。

 「どこかで聞いたようなフレーズね」
私の書類は、ことごとく却下された。新規開店するオープンカフェのキャッチフレーズが浮かばない。最近の私は、正直に言って何もかもが上手くいかない。週末に会う友人たちは、何故だかみんな楽しそうだった。
「もう一度練り直して来て」
書類を受け取りながら頭を下げる。
「・・・もう時間がないのよ」
去り際に上司が小さく言った。キリリと何かが私を絞め上げる。
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