サンタさんと受験生

「さて、私はこの町を担当しているんでもう行かなければならないんだが‥。」

自称サンタクロースは俺を見て何か考えていた。

「君、せっかくだから手伝ってくれないかい?」

「はい?」

手伝うって夢配りのか?


「知らないおじさんについていけって?」

俺はベッドから立って大学受験の本を本棚に戻した。

「君は去年もその前も勉強していただろう?クリスマスの夜ぐらいは息を抜くことも大切だ。」

自称サンタクロースは優しい調子でそう言った。

よくそんなことを知ってるもんだ。


「息抜き‥ね。」

俺はそう呟いた。

この自称サンタと話してると今年のクリスマスは、勉強以外のことをしてみてもいいかもしれないと思えた。


…まぁこれも夢かもしれねぇけどな。
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