君にもらった苺飴




 
 『で、くわねェの?』

 「は?」


 いきなり龍が笑顔で言ってくる。
 
 その顔、怖いんだけど。


 『くわねェなら俺が!』
 
 「ちょッ!やめれー!」

 『飴は食べるものだ!』

 「そーだけど」

 
 そう言って、俺はポケットから
 苺飴を出して、見つめた。

 食べるのは、もったいない。

 ココロの中で思ったんだ。

 せっかく、愛紗美チャンからもらったのだから。


 
 『でも、その飴いつかなくぞ』

 「まだ食べないにする」

 
 また再びポケットに入れた。

 
 ちゃんと食べるよ?

 けど、もったいない。


 食べてしまったら、彼女の
 
 優しさがなくなってしまいそうで。





 

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