名も無き花
昼食をなんとか食べ終えてあたりを見回す。

目についた学校カバンを手に取り中から紙切れを5・6枚取り出した。
が、すぐ床に放った。

レポートでもやろうかと思ったのだが、紙の感触が手に伝わった瞬間心が折れた。

気分とは恐ろしいものだ。


手の届く範囲にあった本を適当に取って広げる。
言葉を認識できない、目に写る文字が頭の中で理解される前に意識の外へ流れ出す。

文字が流れ出すメロディに誘われ睡眠が目を覚ます。
同時にまぶたは鉛をいれたように重くなり、夢の世界の住人が腕を引っ張った。

暗鬱な気分が暗闇の中へと消えて行く。
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