名も無き花

☆月の子守歌★

鏡の前。
ウェットティッシュ系のメイク落としを片手に深呼吸。

自分のスッピンを見るのは嫌いだ。


思い切って、拭き取る。じっくりやると悲しさがますからなるべく手短く大雑把に。

残りはお風呂で落とせば良い。


「ゆうきー、お風呂空いたよ」

姉が入浴を終えた。

「はーい」

適当に返事をして、自分のクローゼットをあさる。

パジャマと下着を手に取り脱衣所に向かう。

…引返した。今日買って来た黒染めの整髪料を化粧台にしまった。

姉に見つかると面倒だ。

しまったら、足早に脱衣所にむかう。
身に着けている衣服を片っ端から洗濯機に放り込んで、バスルームのドアを空ける。

お風呂は好きだ。
何も考えずにぼーっと湯船につかっているのが、夜に唯一至福の一時と言える時間だ。

いつも40分くらいかけているが、今日は1時間は入っていた気がする。



のぼせる前に上がろう…。
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