名も無き花
翌朝あたしは、草原に走った。

風が背中を押してくれる。地面が足を押し返してくれる。

人ゴミの中を突っ切る。まるであたしに道を開けるかの様に人が流れる。信号をわたって突き当たりを右に曲がると景色が変わる。


そこにはすでにウサギ。


あたしの目に飛び込んできたのは、リズムよくケータイのキーをたたく音と、指。



なんだかちょっと、裏切られた気分。
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