名も無き花
ニュースキャスターの声が耳に流れ込んで来る。

「午後1時になりました。お昼のニュースをお伝えします。」

ハッ!とした。妙に頭がさえている。こんなスッキリした目覚めは何年ぶりだろう?

それもそのはず、昨日は居酒屋を素通りした。妻の小言も聞いてない…と、いうより無視した。

ついでにお昼まで寝ていたからだろうか?

スッキリに+アルファで気分もいい。


一応カレンダーに視線を送った。

間違いない休日だ。
…めくってない??

月が違う。

体から血が引いていく感覚に襲われた。ソファーから飛び跳ねるように、カレンダーへ駆け寄った。

息を呑んでめくった。

「…良かった。」

運良く休みだ。


どっと疲れた。せっかくの良い目覚めが台無しだ。
< 63 / 141 >

この作品をシェア

pagetop