名も無き花
-赤の詩-

あなたは 赤 が好きですか?

赤い夕日に切なさ感じる私

目の前の赤い薔薇の刺を掴んで

流れる血液の赤に命を感じて

涙が零れる瞳は赤い


あなたは 赤 が好きですか?



私はそんなに好きじゃありません



嫌いでもないのだけれど

やっぱり赤は…


地獄の炎は真っ赤に燃えて

火ダルマの私はやっぱり赤くて

体から吹き出る煙は血の蒸気で赤くて

焼けた皮膚は赤みがあるの



赤信号なのに車が突っ込んで来て

急ブレーキのランプは赤くて

吹っ飛んだ私の体は赤い海に溺れて

救急車とパトカーのサイレンも赤い

落ちた私のマフラーはやっぱり赤い
< 89 / 141 >

この作品をシェア

pagetop