私の彼氏はバッテリー

校門を出て、すぐに信号があり、そこからあちこちと道が分かれている。


足を止めたリョージは追いかけているユミのほうを振り向く。

「俺はこっちからだけど」
信号を渡った方向を指差す。


普段、早足に慣れてないため、彼をついていくだけで精一杯だったから、息があがっているユミ。


「はぁは…え、その…同じ…」

ユミも同じ方向を指差す。
「わかった」

2人は歩行信号が青になるまで待つ。
やっと、ユミの呼吸が整ってきて、落ち着いた所に歩行信号が青になった。


あっー…

また早足で追いつかないといけないと覚悟したがー


そっと、先とは全然違う足取り。

その歩幅は私の歩幅だった。


ー気づいて、合わせてくれたんだ。



ー優しいんだ…。


しばらく歩いてから、彼は足を止める。
今は周りに人がいない。



今がチャンスだと思ったのだろうー…



「ユミ…」

彼は真剣な眼差しで見つめてくる。


ドクンドクン…



ここに来て必要以上に鼓動が激しくなってきてる。

「昨日の返事ー…聞いていいか?」


「えっー…う、うん…」



最初は友達から始まって、お互いの事を知って、お互い気があったら付き合おうー…
< 10 / 26 >

この作品をシェア

pagetop