私の彼氏はバッテリー
校門を出て、すぐに信号があり、そこからあちこちと道が分かれている。
足を止めたリョージは追いかけているユミのほうを振り向く。
「俺はこっちからだけど」
信号を渡った方向を指差す。
普段、早足に慣れてないため、彼をついていくだけで精一杯だったから、息があがっているユミ。
「はぁは…え、その…同じ…」
ユミも同じ方向を指差す。
「わかった」
2人は歩行信号が青になるまで待つ。
やっと、ユミの呼吸が整ってきて、落ち着いた所に歩行信号が青になった。
あっー…
また早足で追いつかないといけないと覚悟したがー
そっと、先とは全然違う足取り。
その歩幅は私の歩幅だった。
ー気づいて、合わせてくれたんだ。
ー優しいんだ…。
しばらく歩いてから、彼は足を止める。
今は周りに人がいない。
今がチャンスだと思ったのだろうー…
「ユミ…」
彼は真剣な眼差しで見つめてくる。
ドクンドクン…
ここに来て必要以上に鼓動が激しくなってきてる。
「昨日の返事ー…聞いていいか?」
「えっー…う、うん…」
最初は友達から始まって、お互いの事を知って、お互い気があったら付き合おうー…