Pinky
啓はそう言うと私の手を引いて歩きだした。

「ちょ…待っ!」


ガタタ…

え?


後ろを振り返ると佐久間君が教室の入り口でうずくまってた。


「おい!大丈夫か!?」

啓が走って寄って行ったから、私もついていった。



「あ…大丈夫やから。心配かけたな。」




そうは言っても、
すごく痛そうに左腕を押さえてる。


「その手が痛いん?」

私は速やかに佐久間君の制服の袖をまくり上げた。


「あ…バレてもた。」

佐久間君は平気そうに言ったけど、その腕には包帯が巻かれていた。
< 74 / 226 >

この作品をシェア

pagetop