初恋

告白

5日間、メールが来なくて寂しかったからかもしれない。


「――あ、」


気づいた時には、あたしは先生に電話をかけていた。


『どうした?』


2回コールの後、先生の低い声がすぐ耳元で聞こえて――あたしはどきりとした。

そして、とっさに出た一言が、


「すみません!間違えました!」


そのまま、急いで電話を切ってしまった。

やばい――!



が、すぐに着信音が鳴って、


『おい!何が間違いだよ』


先生の声が聞こえた。


「す、すみません――かけ間違えちゃって」


あたしは、しどろもどろだった。


『だからって、すぐに切ることないだろ』


「――はは、そうですよねぇ」


先生も電話口の向こうで笑っていた。

久しぶりの、先生との電話。

とはいえ、この前先生から電話がかかってきた時から、10日も経ってないんだけど。


でもずいぶんと久しぶりな気がして――


「ふふふ」


電話だということも忘れて、あたしは笑ってしまった。


『どうしたんだよ。気味悪いな』


だって――

< 60 / 280 >

この作品をシェア

pagetop