秘密の同居
『え?』
「だから!
電話するから、先行ってろ。」
苛ついた様にあたしを睨むと、あたしから離れながら携帯で何処かに電話をかけた。
別に家帰ってからとかでいいのに。
変なの。
そんな事を考えながらトボトボ一人で家路を歩いた。
家に着いてしばらく経つと、夏木君が帰って来た。
『あ、おかえり。
電話終わったの?』
「あぁ。」
冷蔵庫に食材を入れながら素っ気なく返された。
『…彼女からの電話とか?』
冗談ぽく聞いてみると、夏木君はパタン…と冷蔵庫のドアを閉めた。