秘密の★オトナのお勉強①



…ねぇ、これは夢かしら?


「スタートライン」の撮影最終日に、苦しみながらもあたしは冬馬をフッたのに。

これじゃ意味ないじゃないっ…!


何してんのよ監督!




「光輝くん久しぶり」



「あぁ…」




あたしがどこにぶつけていいか分からない感情を燃やしていると、佐田さんはいつの間にか貞永の隣へと移動していて。




「まさか会える…と…は…ッ…、思って…」



「どうした?」




突然息切れをし始めた佐田さんに、貞永の顔が近付いていく。


そして、貞永の指先が佐田さんの髪に触れた途端…




「キャーッ!」



「…は?」




佐田さんは顔を赤く染めながら、猛ダッシュで控え室から出て行った。


そんな佐田さんを見て、貞永が不審そうに見ている。



…佐田さん、裏の性格が出ちゃったのね。

ご愁傷様。




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