秘密の★オトナのお勉強①



控え室へと到着したあたしは、早速貞永の今度のスケジュール調整を始めた。



監督の話だと、どうやら明日の午前には貞永の出演シーンを撮り終えられるらしい。


それから貞永には速攻帰ってもらって、荷物の準備をして貰う。


そして明後日の昼頃、貞永の家を出発して空港に向かう。


夕方の便で、アメリカへと出発する…というこれからのスケジュール。



航空券の手配はもう終えたけど、まだまだ問題は山積みだ。


これから二年はアメリカに住む訳だから、最初の数日はホテル暮らしだとしても、住居も探さなければいけない。


それに、今住んでいる貞永のマンションも解約しなければ。



…やる事が多すぎて、貞永の準備よりもあたしの準備の方が間に合うか不安だ。



あらかじめ持参してきたノートパソコンの電源を付けて、頭を抱えた時だった。




「あゆ、入るよー!」




そんな呑気な声と同時に開かれたドアの向こうに、先程遭遇した冬馬と佐田さんの姿があった。




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