秘密の★オトナのお勉強①
「光輝くん、ハリウッドに行くんだってな」
「そうだよ。一昨日の会見、驚いたでしょ?」
「驚いたというか…父さんも母さんも失神寸前だった」
…そんな両親の姿を、安易に想像できる所が怖い。
口から乾いた笑いが出てくるのを感じながら、猛の言葉を待った。
「あのさ、今日俺オフなんだよね」
「メジャーデビュー関係の仕事、お休みなの?」
「ああ。だから俺も空港に連れて行ってくれよ。光輝くんに、キチンと挨拶したいからさ」
まさか、猛がそんな事を言い出すなんて、思ってもみなかった。
でも、それ程に猛は貞永の事を尊敬していたという事で。
「分かった。今から家出るから、それまでに準備済ませておいてよ?」
「了解。じゃ、また後で」
「うん。バイバイ」
静かに電話を切った後、カバンとケータイを手に取ると、しっかりとした足取りで家を後にした。
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