恋☆STORM




篠原「 ヨーコ、
    明日のライブ、見においでよ。
    横浜だから近いでしょ?」





追加のビールを飲みながら、
シノが私に聞く。
私の隣で青ちゃんが
「 うん、うん、来い、来い 」
と言わんばかりに深くうなずいてみせる。






私 「 行きたいんだけどねぇー…。
    私、明日から仕事なんだよ。
    残念!」


亮 「 アンタ、
    いつになったら
    オレらのライブ見に来んの? 」


私 「 良いよ、別に…。
    ライブのDVD出るんでしょ?
    私、ライブはDVD派なんで。」


篠原 「 何だ? それ
    テンション下がるじゃねーかよ! 」





毎年アリーナでLiveをやってるけど、
まだ一度も行けてない私。
行けてない?
……違う、私、わざと行かずにいる。


毎日のように会ってるみんなが、
スポットライトを浴びてる姿を見るのが、
ちょっと怖いから。


前にTVで
【STORM】のライブ映像を
偶然見て思ったんだ。


メンバーみんな、
普通に私の大事な友達。

みんな普通の男の子なのに、
何千人もの女の子達が彼らを見つめ、
そして、
声を枯らして声援を送ってる。


それって、
なんか、
私にとっては、ちょっと不思議な光景で。


そして、
その声援の中にいる青ちゃんを見ると、
青ちゃんが私とは掛け離れた、
遠い… 遠い… 存在に思えてくる。



そんな気持ちを、
どうコントロールして良いかワカラナイから…


だからLiveには行かないんだ。


なんとなく、ずっと、そう決めてる。









< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop