僕の街には今日も雨(涙)が降る…。

四、笑顔を守る為に。

「はっ、お前が?良いだろう、放課後…公園に来い。…そうだな、もしも逃げた
り負けたりしたら…飛夏羽ちゃんは俺達がもらう。」

 優都は翔太の脅しに少しも戸惑う事は無かった。

「受けてやるよ。これが正々堂々とした勝負ならね。」
「…優都!」

 飛夏羽は不安だけで胸がいっぱいになっていた。

 だが、優都は飛夏羽の不安を押し切るようにして優しく、それでも真剣な目つ
きで飛夏羽を見つめた。

 そして飛夏羽と翔太のところに来ると、翔太の手を飛夏羽の腕から離し、自分
達の所に飛夏羽を連れ戻した。

「少し位守らせてよ。」
「…うん。」

 戸惑いながらも飛夏羽は頷いた。
少ししてから飛夏羽の頭の中で優都の言葉が繰り返され、飛夏羽の顔に、笑顔が
戻った。
信じてるよ、優都。
そう、胸に言い聞かせるようにして…

 放課後、まだ時間に余裕があった為、全員は優都の家で待機する事にした。

 優都の部屋では、優都と飛夏羽が二人きりで、何も言わずに床に座っていた。

 その沈黙を解くために、飛夏羽は無理矢理話を切り出した。

「私…最近泣いてばっかりだよね…笑うこと…忘れちゃったのかな…あ、ごめ
ん!馬鹿だよね…」
「馬鹿なんかじゃないよ。俺が笑う事…思い出させてあげるから。」

 自分を責め続ける飛夏羽を慰めるように、優都は優しく言った。

「ありがとう…でもね、これだけは覚えてるんだよ?」

 そう言った飛夏羽の目からは涙が溢れていた。

「やっぱり…泣く事だけは覚えてるんだよね…昔、嫌な事が沢山あって…それ
で…今は私のせいで皆が不幸になってる…私のせいで…皆が…私何か…生まれて
来なければ良かったんだよ!」
「飛夏羽!そんな事言うなよ!?」
「…うっ…優都の馬鹿!」
「…え?」
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