僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 しばらく雨の中を濡れながら走り続け、優都はある公園で立ち止まった。

「…ここ…」

 この公園には、色々と思い出があった。
 初めて飛夏羽と出会ったのが、この公園である事。それが、優都の心に深く焼
き付いたのであろう。

 二人は出会ってから直ぐに意気投合し、沢山遊んだり、お互いに悩みがあれ
ば、打ち明け合ったりする仲にまでなった。
だけどもう、飛夏羽の温もりが自分には残っていない事を、優都は知っていた。

「…帰ろう。」

 公園を離れようとすると、前から誰かが歩いてきた。
その人は優都を見つけると、優都の所へ走ってきて、傘を渡した。

「其処までだけど…使って。風邪引いちゃうよ。」

 優都に傘を渡したのは飛夏羽だった。

「…ありがと。」

優都は、傘を受け取ると、そのまま帰ろうとした。
公園の入り口まで来てから、優都は急に振り向いた。

「飛夏羽は如何するの?」
「私は…もう少ししてから帰るよ。」
「それじゃあ飛夏羽が風邪引いちゃうじゃん…一緒に帰ろう。」

 優都は傘を差し、飛夏羽の目の前に手を差し出した。
優都の差し出した手には、温かい何かが零れ落ちてきた。
雨じゃない…飛夏羽の涙だった。

「何でこんなに…優しくするの?」
「何でって…」

 飛夏羽は泣きながら思わぬ事を口にした。

「私、優都の事ずっと好きだったんだよ?…大好きだった…」
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