僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 優都は傘を落として飛夏羽を抱き締めた。

「俺だって好きだったよ…でも俺…飛夏羽を守れた事無かったよ?」
「そんな事無いよ…傍に居てくれただけで…嬉しかった…」

 飛夏羽は唇を震わせながら泣いていた。

 優都は飛夏羽の涙を隠すようにして、更に強く、飛夏羽を抱き締めた。

「…お願い優都。虐められても良いから…傍に居させて…」
「…幼稚園の頃からずっとだもんね…何時終わるか分からないんだよ?俺なんか
と幼馴染になっちゃったから…無理して傍に居なくても良いんだよ?」
「優都は何にも悪くないよ!…それに…無理なんかしてない。私が傍に居たいか
ら…傍に居るだけだよ…」

 飛夏羽は優しい表情で笑って見せた。

 優都も笑って飛夏羽の髪の雫を指で拭った。

「…帰ろうか。」

 二人は傘を差し、手を握って優都の家へと向かった。

 飛夏羽と優都の家は、3件離れていた。
帰り道、こんな落とし穴が待ち受けているとも知らずに、楽しそうに笑いながら
優都の家へと向かって行った。
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