僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「…優都?寝惚けてるの?」
「寝惚けてないよ…一緒に寝よう?」
「えっ!?」

 手を繋いだまま目を擦って普通に喋る優都を、飛夏羽は見直した。
優都は『早く寝よう』と言う顔をして、ベッドに座った。

「朝になっても…騒がない?」
「騒がないよ。」
「きゃあ!?」

 優都は飛夏羽をベッドにいれ、そのまま眠りについた。

「…寝るの早い…疲れてたんだろうなぁ…そうだよね…タイマン…私のせい
で…ごめん優都…」
「良いから早く寝よう~。」

 優都は尚、飛夏羽を自分の胸へと沈めた。

「…優都?」
「すー…すー…」
「…くすっ…今日は帰れそうにないや…寝惚け王子。…おやすみ…」

 そういって飛夏羽は優都の洋服を掴み、眠りに付いた。
優都と夢の中でまた会えるようにと願って…

 翌日、飛夏羽の目の下にはクマが出来ていた。

「…眠れなかったぁ…」
「…おはよ~。」

 優都は寝惚けた顔をしてゆっくりと布団から起き上がった。

「まだ寝惚けてる?」

 飛夏羽は笑いながら優都の寝癖を取ってあげた。

「寝惚けてないよ~。」
「本当に~?そういって昨日も寝惚けてたんだから~。」
「酷~い。もう起きました。」

 優都は笑って飛夏羽を見た。

 飛夏羽は優都の笑顔を見て顔が昨日よりも赤くなった。

「や、やっぱり…寝惚けてたんじゃん…」

 真っ赤になった顔を隠すために、飛夏羽は優都に背を向けた。

 しばらくしてから時計を見ると、もう7時だった。

「…学校…大丈夫?」
「…うん。」
「無理しないでね。辛い時は、何時でもおいでよ?」

 飛夏羽は優しく優都の手を握った。
優都も飛夏羽の手を握り返し『ありがとう。』と優しく呟いた。

「…行こうか。」
「うん。」

 まだ、優都への虐めが終わったわけではない。
けれども、決して負けてはいけないのだ。
この先に、ずっと先に、本当の幸せが優都を待っているからだ。

 今はまだ、優都の街には雨が降っている。
だが、いつかきっと…きっとこの街にも太陽の光が降り注ぐであろう。
その日まで…優都は戦い続ける。

 自分自身の為に…愛する者の為にも…。
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