僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 リビングに行くと、既に電気は消えていて、優都はソファで夢の中だった。

「優都…優都?起きてよ~。」

 優都の寝顔は、丸で静かに眠る赤ちゃんのようだった。
優都の寝顔を見て、飛夏羽は自然に笑顔になっていった。

 それでも、飛夏羽は優都の寝顔を見終わるとそれどころではなくなった。

「優都、起きてってばぁ!…反応なし…はぁ…仕方ない…一人で寝るかぁ…」

 部屋から出ようとして振り返った瞬間、飛夏羽は小さなテーブルに躓き、その
ままテーブルの後ろに落っこちた。

「いったたた…何でソファの前にテーブルがあるの…って当たり前かぁ…」
「…ん~…ん…飛夏羽ぁ?」

 飛夏羽は驚いて優都の方に振り返った。

 優都はうとうとしていて、今にも倒れてしまいそうな様子だった。

 そんな優都を見て、飛夏羽は噴き出して笑った。

「何~?」
「べっつに~。何でもないよぉ~。」

 飛夏羽はクスクスと笑いながら優都の部屋に戻ろうとした。

「飛夏羽ぁ~…」
「…何ぃ~?」

 飛夏羽は呆れて振りかえって優都を見た。

「如何したの~?」
「…はぁ…」

 優都が寝惚けているのを見て、飛夏羽は呆れながらもその場に座り込んだ。

「…怖かったんだもん…一人で寝るの…で、でも何時も一人で寝てるのに…馬鹿
だよね…はぁ…起こしちゃってごめん。おやすみぃ…」

 優都は起き上がると部屋に一人戻ろうとする飛夏羽の手を掴んでそのまま部屋
へと連れて行った。
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