僕の街には今日も雨(涙)が降る…。

二、真実を教えて

 男子達に連れて行かれた飛夏羽は、公園に居た。

「…榊君達…なの?」

 飛夏羽は恐る恐る顔を上げて男子達を見た。

「うん、そうだよ。飛夏羽ちゃん…今暇だろ?遊ぼうぜ。」
「暇なんかじゃない。帰りたいの。」

 翔太の問いに対して、飛夏羽は目を逸らして反抗した。

「あれ?帰る場所なんて無いんじゃないの?」
「…え?」

 飛夏羽は目を見開いて翔太を見た。

「帰っても誰も居ないんだろ?そんなところ、帰っても仕方無いだろ。あ、それ
とも千葉の所にでも行く気?」
「何で優都が関係するの?それに、何で榊君達は優都を苛めるの?」

 飛夏羽の言葉を聞いて、全員が大声で笑い出した。

「それはね、君が千葉に近づいているからだよ。」
「…私が?」

 飛夏羽は頭の中が真っ白になった。

 自分のせいで、大切な幼馴染が苛められていたのだ。

 サブリーダーの橋口 竜牙はバケツに水を汲み、それを飛夏羽の頭から被せ
た。

「…うっ…」
「本当に最高だよ…飛夏羽ちゃんって。やれ、お前等。」

 翔太の命令で、全員が飛夏羽を遊び始めた。
ただ飛夏羽は我慢し続けていた。

 優都の事を思い、胸が張り裂けそうにまでなったのだ。

 それから約30分経った。

 全員息を切らしながら飛夏羽を見ていた。

 飛夏羽の制服はボロボロになり、体中は水で濡れ切っていた。
何があったか思い出せないほどの恐怖。

 だが、それよりも飛夏羽の頭の中は優都の事だけでいっぱいだった。
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