僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
 翌日、飛夏羽はジャージに着替えると、何も持たずに学校へ行った。

 通学中、飛夏羽は後ろから少女に声を掛けられた。

「飛夏羽、おっはよ~!」

 この少女は飛夏羽の親友の渡葉 李麻である。
李麻はいつも明るく、飛夏羽達の理解者でもあった。

「…おはよう…李麻。」
「おはよっ。…元気ないねぇ?如何したの?」

 李麻は飛夏羽をクリンとした目で見つめた。

「…あのね、優都がいじめられてた理由…昨日…分かったの。」
「…えっ?」

 李麻の顔から笑顔が消えた。

 それを見て飛夏羽は李麻の顔色を伺った。

「…李麻?如何したの?」
「…ごめん飛夏羽…それ…うち等知ってたんだ…」

 その言葉を聞いた瞬間、飛夏羽の目からはまた、涙が溢れ出した。

「あ、飛夏羽?」

 李麻は驚いて、飛夏羽の顔を見た。

「…じゃあ…知ってたんだね…私のせいだ…って…」

 飛夏羽は無理矢理涙を拭い、学校の反対方向へ走っていった。

「待って!飛夏羽!」

 李麻は飛夏羽を追いかけて行った。

 飛夏羽は思い出の公園に着くと、ベンチに座り、顔を手で覆って泣き出し
た。

 皆が知っていた…そう思うと飛夏羽は余計、自分を責め込んだ。

「…最低だよ…私…」

 李麻が無言でゆっくりと飛夏羽の許へと来た。
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