いちごみるく





何に当たったのかと上を見上げると、見たことがない男の人が立っていた。




「ごめんっ!大丈夫?」




その人は優しく声をかけてくれて両手を合わせて謝っている。




いきなりの事で驚いただけだったので、急いで立ち上がるあたし。




「大丈夫っ」




「良かった~…さっき友達に押されてぶつかったみたい」




そう言って彼は背後に隠れていた男の人をつまみ上げる。




「そんなつもりじゃなかったんだけど、ごめんなぁ~」




どちらも見たことない人で、人見知りの激しいあたしは何も言えなく黙ってしまう。




「俺は安藤祐一。こいつは中川圭太…圭太も悪気ないから許してやって?」




圭太くんはペコペコとあたしに頭を下げていて、思わずおかしくて笑ってしまった。




「え、どうかした?!」




「ううん!何でもないよっ」




それからはあたしと奈美も自己紹介をして、すぐにお互い打ち解けた。





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