PEACE



「この後、どうすればいいんだろう」

「そうだな……」

食事を終えた二人は、考え込んでいた。

ファルコは奈久留の肩に乗っている。

二人は身なりを確認した。

今の二人は、何も持っていないという状況がぴったしであった。

それも仕方がないだろう。

あの騒ぎの中だったのだ、旅の準備などする時間などない。

二人が持っているもの。

二人が常備していた武器に、雪夜の羅針盤。

そして奈久留が身につけているペンダントだけだった。

(こんなんじゃ、この後絶対にやっていけないよね……)

金銭物が一つもない。

互いに持ち合わせを確認したものの、余計に後行きが不安になるだけだった。

「ああ。……そういえば、昨日、この森を探索していた時に街があった」

「ほ、ホント!?」

それを聞き、目を輝かせる奈久留。

「そこに行けば、今ここが何処なのかもわかるだろう。そこで何か金を稼ぐとしよう」

先が見えてきたようだった。
< 34 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop