PEACE
* * *
その街は、とても賑やかだった。
「なんだか王都みたい」
「確かにそうだな」
建ち並ぶ店に、沢山の人々。
よく奈久留がよく行っていた城下街にそっくりだ。
「それじゃあ、俺はちょっと情報収集に行ってくるから。ここで待っていてくれないか?」
「一人で行くの?」
「ああ。ちょっと危険な場所だからさ」
(危ない場所って……)
一体なんでそんなところに、と思ったが、常識知らずな奈久留は雪夜に任せるべきだと感じ、何も言わなかった。
「それじゃあ、ここで待ってろよ」
去っていく雪夜を見守りながら、奈久留はどうやって暇を潰すか考えていた。